鷲野宏デザイン事務所/washino hiroshi design
 
 
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【 デザインとは、課題を決着すること。 】

課題を決着するには、課題を明確にして、どこまでゆくのかを設定し、 設定された着地点へと向かう方法を考え、うまくつくるという一連のプロセスを踏む必要がありますが、そのプロセス全体を包括的に捉えながら進んでいくことで、よりコンセプトと着地点がうまく通ったコンセプチャルな結果を得ることができると思います。

このとき、 着地点をどう考えるかで、デザインの領域は大きく変わります。「必ずしも解が一つでない課題に対して、 種々の学問・技術を利用して、実現可能な解を見つけ出していくこと」 (日本技術者教育認定基準の定義)という見方では、具体的な工法や商品の姿を実現するまでをデザインという言葉で示しています。また、 「ある目的に向けて計画を立て、 問題解決のために思考・概念の組立を行い、それを可視的、触覚的媒体によって表現すること」 (ダヴィッド社『デザイン小辞典』より)という見方では、美術的なものの実現を示しています。一方、「考え方の提示など『コト』のデザインへと拡大」 (経産省が進める現在の定義より)したという見方では、見た目や心地よさをつくりだす表現をするというデザインの狭義の考えから比べようもなく、課題の解決に向けたあらゆる領域にまで範囲を広げています。

いずれにせよ、課題から着地点へのきちんとしたプロセスを踏まずに端折って表層的なハリボテのデザインが必要とされる場面もあるでしょうが、デザインをする側は常に、課題から生み出されたコンセプトを考え、コンセプトをいかに現実の中に着地させるかというプロセスそのものを含め包括的にデザインするんだということを忘れず、きちんとした誠意あるデザインを生み出すことに熱心になることが課題を決着することに繋がるんじゃないかと思います。

(昭和女子大学特殊研究講座「デザインとことば」より 2013)

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【「できごと」をしつらえ物語りをつくること 】

まちに愛着を感じるためには、まずは、まちの豊かな環境そのものを体感する必要があります。都市環境をセンシティブに感じる感性を刺激するためのプログラム「名橋たちの音を聴く」では、都市の音環境の中であえて「音楽」を聴く体験などを通じて、日常の中で聴く耳を持たなくなっていた都市環境の音を聴くことをきっかけにして都市環境をリアルに体感することを狙いました。

サウンドスケープという言葉をつくり、音の環境に注目することを提唱したR.M.シェーファーは、騒音問題の原因を現代人の聴取態度の「音楽」への偏向とし、「音楽」以外の環境音などへの閉鎖性にあるとしました。このプログラムでは、その音楽への聴取態度の偏向を利用し、あえて騒音に包まれた都市環境の中でアコースティックによる音楽を聴こうとするときに聴こえてくる環境の音への注目を促している。そのような仕掛けの中、乗船者たちは船の運航とともに強制的に移動することを余儀なくされ、様々な都市環境を体験することになります。日本橋川では、川面と橋梁の間の空間の背が低く橋幅も広いこととから、橋の下の空間は思いのほか響きがあり、その他の空間との音響の変化や「音の風景」とともに音そのものを味わうことで、ここ数百年の特例にすぎない音楽ホールに閉ざされた音楽聴取では到底到達できない、多様な環境とともに味わう豊かな音楽聴取も可能だと思っています。



また、 音楽のみならず、船の移動に伴う環境の変化に呼応した解説も配置することで、都市環境をより体感する感性を刺激することを目的とするプログラムをつくりました。このように環境を体感する感性を刺激するために「できごと」をしつらえ都市環境を舞台とした絵巻物をつくることもデザインの領域だと思って、その実践に取り組んでいます。

関連LINK
デザイン作例「名橋たちの音を聴く」 LINK
都市楽師プロジェクト「日本橋・名橋たちの音を聴く」特設ページ LINK
「サウンドスケープの考え方を活用した都市環境の価値共有化(略)」
2012 全文LINK

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